台湾の中心部、最高所の温泉地と言われる「廬山温泉」は度重なる土砂災害の影響で静まり返っています。
しかし温泉街の奥にある「翔婷茶工坊」は、源泉かけ流しの貸切温泉に夜通し入り放題でお値段もお手頃! 若い夫婦が営む、手作り感が心地よいペンション?に泊まりました。
静まり返った温泉街にかかる橋の向こうへ
着いたのは日没間もない午後6時。亜熱帯の台湾といえど、標高1,300mの廬山はひんやりとした空気が漂っています。
大量の土砂が堆積した塔羅湾渓谷に架けられた仮設橋を渡り、いよいよ真っ暗な対岸へ。
急坂を曲がるところに、お茶屋さんの看板が。これが今日の宿、翔婷茶工坊です。その名の通り、お茶の加工販売をしながら、ペンションも営んでいるようです。
※あまりにも暗かったので昼の写真です。
若いお母さんに、英語で一通り館内を説明してもらいました。
源泉かけ流し・完全換湯の貸切風呂が入り放題だと……!?
温泉は24時間利用可、部屋風呂もあるがぬるいからおすすめしないとのこと。
外の温泉小屋を入ると、一人で使うにはもったいない広さの湯舟が鎮座していました。貸切風呂というより、共同浴場を独泉しているような気分。
使い終わるたびにお湯を交換する熊本スタイル。バルブを全開にしても20分ほどかかるのですから、なんとも贅沢です。
ぬるめのお湯は泡付きがよく、微かにタマゴ臭もして新鮮そのもの。やはり蛇口から出たばかりのお湯は、他に代えがたい良さがありますね。
湯舟の湯を汲んで洗髪し、さっぱりしたところでもう一度浸かって〆めます。
お湯がたまるのに時間がかかることもあるのか、お風呂の温度は40度くらいと決して熱くはないのですが、湯上がりはポカポカになりました。
ふたたび温泉街へ……晩ご飯
さて晩飯は、事前にリサーチしていた温泉街の飲食店へ。温泉街には橋を渡って徒歩15分ほど。歩ける距離ですが、心配してくれたお母さんが送ってくれることに。小さな子どももいるので、夜遅くまで付き合わせるのは悪いからと、帰りは断り、温泉街を奥へ歩きます。
2つ店がありましたが、お母さんおすすめという「風味餐庁」へ。
とりあえず、名物というニジマスの塩焼きに、台湾ビールをオーダー。ふわりとした身はうすしお味で旨い!ビールが進みます。
そして黃燜雞も到着。甘辛い醤油でグツグツ煮込まれた鶏は、軟骨やホルモンもついてきてワイルドな味わい。しょっぱめの青菜がいい味を出してるなぁ。
普段ならもう一杯いきたいところですが、大瓶のビールとボトルの酒しかなかったので断念。たまにはほどほどで切り上げるのもいいかな。
夜風を受けながら宿に戻るのは最高の酔い醒まし。
ふかふかベッドと爽やかな山の風で迎える朝は最高♪
部屋に戻ると、ホームステイで外国風のおしゃれな部屋に泊まらせてもらうような、ワクワク感と落ち着きが両立した雰囲気。旅の夜にぴったりです。
窓を開けると、ひんやりとした夜風が部屋に流れ込みます。
台湾のホテルは1室あたりの料金を設定しているところが多く、1人でも2人でも値段は同じ。
ここは1人あたりの値段を設定してくれていたので、他の宿と比べて半値ほどになります。それでいて同じ部屋に泊まれるのですから、出血大サービスです。
トイレと洗面台も部屋についている親切仕様。部屋のお風呂も源泉かけ流しなのだとか。
テラス席で優雅な朝食を
静かな山の朝。外のテラスに出てみると、遠くで鳥の鳴き声が聞こえ、風が顔にあたります。
海外旅行らしからぬ、いや国内旅行でもここまでのどかな朝はないな、というほどゆったりとした時間が流れています。桃源郷にでも来たかのよう。
ここに来る前に、高雄市郊外のレトロな街「旗山老街」で買った台湾カステラをいただきます。
量り売りの最小単位でも結構大きいな……と思ったものの、食べ始めると軽やかでぺろりといけちゃいました。
朝風呂も楽しんで、宿を出ます。
翔婷茶工坊の概要・アクセス
翔婷茶工坊は、台湾の中心部、廬山温泉のペンション。Booking.comでは英語名で出てきます。
1人旅に優しい、1名あたり料金が設定されているのもありがたいですね。
廬山温泉へは、台中駅から埔里までのバスに乗り、さらに乗り換えです。本数が限られている上に、Google Mapsの時刻が古い可能性もあるので気をつけてください。
路線バスの終点から橋を渡って、15分ほど歩きます。