はしも温泉ログ

26歳で800湯を湯破した温泉マニアが、おすすめの温泉をレポートします。

薩摩硫黄島の東温泉でインフィニティ露天風呂!ワイルドすぎる野湯めぐり

鹿児島県三島村の「薩摩硫黄島」は温泉アイランド!

温泉成分で真っ赤に染まった港では、アフリカの打楽器ジャンベでお出迎え。

インフィニティな「東温泉」や、海の中に湧き出す天然の露天風呂など、ワイルドすぎる野湯巡りを楽しみました。

後半では、宿泊施設もご紹介します。

海から湧き出す温泉で赤く染まった港に到着

薩摩硫黄島は、名前の通り活火山の島。港の海底からは温泉が湧き出し、鉄分で海水が赤く染まっています。

船から見ると、海の色が青から赤へとガラリと変わるのでちょっと怖くなるほど。

赤い水をかき分けて着岸すると、ドンドコドンドコドコドコドコドコ……♪ と軽快な太鼓の音が大きくなってきます。

薩摩硫黄島は、アフリカの打楽器・ジャンベの島。島の子どもたちがジャンベを打ち鳴らし、踊りながら出迎えてくれました。

いざ東温泉へ! インフィニティ露天風呂に感激

宿に着いて荷物をおろし、お目当ての「東温泉」に向かいます。東温泉までの道のりは3kmほど、徒歩で1時間かからないくらいです。

車でも行くことができますが、両脇に竹が茂った道をのんびりと歩きます。

急に視界が開けてくると、海に面した岩盤に3つの露天風呂が見えました。赤茶色の岩に、温泉成分の黄金色が目立ちます。

岩の壁で仕切られた更衣室で水着に着替え、早速温泉へ。

波が打ち付ける海岸にはさえぎるものがなく、耳に入るのは波の音だけ。誘われるように湯舟に近づきます。

3つある湯舟は、奥から源泉が注がれるため、真ん中が適温です。かすかに緑がかったお湯はピリリとした強酸性で、舐めるとレモンのような酸味を感じるほど。

浅めの湯舟につかって、ぼんやりと波を眺めます。自然と一体になった気分とは、まさにこのこと。

視界にうつるのは海と空の青色だけ。まさにインフィニティ温泉です。

岩肌に目を向けると、源泉が岩を染めていることに気づきます。硫黄泉特有の藻や、析出した硫黄と塩分が模様のようになっています。

一つ目の湯舟に注がれる源泉のほかに、岩肌からも温泉が湧き出しています。

熱いのでさわることはできませんが、神秘的な温泉に目を奪われます。

真ん中の湯舟は39℃くらいとぬるめでしたが、源泉近くは体感46℃と熱め。

硫黄泉で熱いお風呂といえば、草津温泉や那須湯本の共同浴場を思い出します。それらの温泉で入れるならば、ここでも入れないはずはない。

意を決して入ってみると、ピリリとした熱さと酸の刺激のあとに、スパッと身体の疲れがとれるサッパリ感です。

干潮時のみ入れる幻の温泉「穴の浜温泉」

薩摩硫黄島は、島全体に竹が茂った緑豊かな島。道路は丁寧に草刈りされており、気持ちよく歩けます。

島には牧場もあり、海が見える牧草地でのんびりと草を食んでいました。

さて、もう2つの温泉を目指して歩を進めます。

※東温泉のほかの露天風呂は、一般の方は非常に行きづらい場所にあります。滑りにくい靴・歩きやすい服装で探してみてください。

東温泉で徒歩で行く場合の難易度を★★☆☆☆とすると、このあと紹介する穴の浜温泉の難易度は★★★★★、大谷温泉は★★★★☆くらいです。

1つめの温泉は、「穴の浜温泉(けつのはまおんせん)」。島の北端、岬の近くから藪の中に入って行きます。目印はありませんが、人が通った跡があるので決意を固めて進んでいきます。

胸の高さまで茂った草むらをかき分け、人が通った跡をたよりに進みます。最後の目印は、発泡スチロールがついた竹の棒(たぶん目印です)。

岩がゴロゴロと転がる海岸にたどり着いたら、温泉がわき出す場所を探します。

赤茶色の岩が転がる海岸を歩くと、湯気が立つ場所が見つかりました。

岩の隙間からポコポコと温泉が湧きだすので、岩を動かして海水と混ざり合うように湯舟を作ります。

泉質は酸性泉で、東温泉と似ています。源泉温度は60℃くらいで触れない熱さですが、海水と混ぜれば足湯として楽しめます。

神秘的な乳白色!大谷温泉(ウータンおんせん)へ

もう一つの露天風呂「大谷温泉(ウータンおんせん)」は、看板に従って草むらの中を降りて行きます。

視界が開けてから、もう少し。岩の転がる海岸を降りて行きます。

青白く濁った温泉と、赤茶けた岩が、海岸とは思えないコントラストを織りなしています。

大谷温泉も干潮時のみ入れますが、干潮時でも温度は低め。この日は38℃くらいのぬる湯でした。

乳白色のお湯が湧き出すところは、どこもぬるめのお湯で満たされています(私が気づかなかっただけで熱い箇所もあるかもしれませんので、慎重に確かめながら入りましょう)。

セルフタイマーで撮ったので顔にピントが合いませんでした。

乳白色のところよりも、透明のところの方が温かかったので、全身つかって自撮りしました。

ここも泉質は酸性泉。のんびり浸かっていたいところですが、入りすぎるとかえって肌がカサカサになってしまうので、ほどほどで切り上げて戻りました。

薩摩硫黄島の宿泊情報!民宿と素泊まりのキャラバンパーク

薩摩硫黄島には4つの民宿と、1つの素泊まり施設があります。今回は2泊の行程だったので、1泊は民宿、もう1泊は素泊まりにしました。

薩摩硫黄島の民宿「マリンハウス孔雀の里」【閉館】

1泊目に泊まったのは「マリンハウス孔雀の里」。親戚の家に遊びに来たようなアットホームな雰囲気で、隅々まできれいなので快適です。

この日は晩ご飯は大名竹尽くし。島の名物のタケノコで、アクがなく瑞々しいです。

島でしか買えない限定品の焼酎「メンドン」を開けて、ロックで頂きます。芋の香りが素晴らしく、食事がすすみます。

朝ご飯は、ご飯が進むおかずのオンパレード。麦味噌の味噌汁が目覚めにぴったりです。

お昼ご飯はおにぎり弁当にしてもらいました。この日の干潮時間は昼前後だったので、温泉に入った後でいただきました。

ちなみに、薩摩硫黄島には野生化したクジャクがたくさんいます。

昔にリゾート開発を試みた会社が持ち込んだものだそうで、学校や民家など、いろいろなところを平然と歩き回っています。

「マリンハウス孔雀の里」の詳細情報【※閉館しました】

施設名 「マリンハウス孔雀の里」
住所 鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島69
電話番号 09913-2-2028
2023年12月に閉館しました。
URL https://kujakunosato.jimdofree.com/

トレーラーハウスで手軽にキャンプ気分♪イオキャラバンパーク

港の近くにある「イオキャラバンパーク」には、オーナーさんが各地から集めたトレーラーハウスが泊まっています。

1人から4人まで泊まれる様々な形があり、1名利用でも4,000円とお手頃。

この日僕が泊まったのは、2人泊まれるキャビン。トレーラーハウスは初めてですが、冷蔵庫やケトルもあり、ベッドも使えて意外と快適です。

ソファーにエアコンまでついているので、キャンピングカー以上に快適と言えそうです。

センターハウスにはキッチンがついており、食材や飲み物も購入できます。

アウトドア気分を盛り上げてくれる内装で、旅人同士の交流も食事を美味しくしてくれます。

おしゃれに並べられたカップ麺やレトルトカレーの数々に、つい目移りしてしまいます。

無人販売なので、決められた金額を料金箱に入れて買いましょう。

冷凍庫には、島の「長命草」で作られた冷凍餃子や、定番の冷凍食品などが入っています。もちろんフライパンや鍋などは借りられるので、その場で餃子を食べられます。

島には食料品店がありますが、足りない食材を買うときにはもってこいです。

トイレやシャワーは、隣接する村営の体育館を使えるので、気持ちよく過ごすことができました。

「イオキャラバンパーク」の詳細情報

施設名 「イオキャラバンパーク」
住所 鹿児島県鹿児島郡三島村硫黄島24
電話番号 090-3015-9609
利用料金 1名利用4,000円ほか
URL https://io-caravan-park.site/index.html

薩摩硫黄島へのアクセス

薩摩硫黄島へは、鹿児島港から週に4往復出ているフェリーがおすすめ。鹿児島港から硫黄島までは4時間ほど。

「フェリーみしま」は2019年に就航した新しくてきれいな船。船内ではラウンジや展望デッキもあり、海の上での時間を楽しく過ごせます。

島の宿泊施設は数が少なく、工事などの長期滞在の方で埋まっていることも多いため、早めに宿を予約しましょう。

宿が取れなくても、キャンプや車中泊ができる場合もあるので、ホームページなどで確認してみてください。

鹿児島県の離島・薩摩硫黄島は温泉天国! インフィニティ露天風呂「東温泉」をはじめ、3つの神秘的な海中温泉が温泉マニアを待っています。

鹿児島の離島・トカラ列島で温泉めぐり

 

秘境!トカラ列島の悪石島で温泉めぐり 天然岩盤浴・海中露天風呂・共同浴場

鹿児島港から週2便のフェリーで10時間、トカラ列島の「悪石島」はトカラブルーの海と不思議な伝承の残る島ですが、3つの温泉が集まる温泉天国でもあります。

『テルマエ・ロマエ』に出てきそうな天然の砂蒸し風呂に、海の中に湧きだす天然温泉。そして、島民に愛される共同浴場。

記事の後半では「悪の集団」の一味になれる島限定のお土産をご紹介します。

ちょっとぬるめの海中露天風呂

鹿児島港を23時に出港したフェリーが、悪石島に到着するのは朝の9時半ころ。

高台の集落に続く坂道をのぼって、一度宿に荷物を置きに行きます。歩いて向かうつもりでしたが、隣の民宿の送迎に同乗させてもらいました。

3つの温泉は近いところに集まっていて、共同浴場の営業時間は16時から。お昼ご飯を食べてから向かうことにしました。

 

軽自動車がうなる山道ですが、降りるのはスイスイ。港へと降りる途中の大きな温泉マークを目印に、どんどん歩いていきます。

ズゴーーッ、ボゴーーーッっと音を立てる源泉ポンプが見えてきたら、1つめの温泉はもうすぐそこ。

この源泉は共同浴場に引湯していますが、すぐ近くには海の中から温泉がわき出す場所があるのです。

ガードレールに「海中温泉」と書かれているのを目印に、海岸に降りて行きます。

消えかかっていますが、温泉マークを発見。

本来は海水浴シーズンのみ入れるそうですが、訪れた日は快晴で汗ばむ陽気だったので頑張って入ることにしました。

何ヵ所か、源泉が湧き出す場所があるので、手で温度を確かめながら、適温の場所を探します。

うん、気持ちいい! 全身つかれるところは37℃くらいになってしまうので、あがるタイミングがつかめずしばらく入浴することに……。

対岸は港で、この日は島の子どもたちが釣りをしていました。不審者がいるって思われてないといいな。

波で削られた丸い岩が並び、裸足でもなんとか入れましたが、低い波でも身体ががっつり引っ張られます。

ちょっとずつ波が高くなってきたので、次の温泉を目指して歩くことにしました。

まるで『テルマエ・ロマエ』!?火山に作られた天然岩盤浴

集落から温泉に続く道は、キャンプ場で行き止まりになっています。

芝生と亜熱帯の木々、そして青空のコントラストに見とれていると、山の中腹に気になるものが。

岩肌がむき出しになった一角に「砂蒸し温泉」があるではありませんか。砂蒸し温泉といえば指宿が有名ですが、まさかここでもお目にかかれるとは。

中に入ってみると、砂や小石が敷き詰められており、ところどころ湯気があがっています。

少し掘って温度を調整し、バスタオルを敷いて楽しみます。

僕はあいにくバスタオルを持っていなかったので、浅いところにそっと背中をつけてみました。

シャツ1枚では数分でギブアップになるほどの熱を帯びた砂に、火山の力強さを感じます。

※低温やけどのおそれがある上に、服が汚れるので、必ずバスタオルなどの敷物を持っていきましょう。

硫黄の結晶が転がる火山にのぼってみた

砂蒸し風呂の後ろにそびえる岩山には、登山ルートが整備されています。小石がゴロゴロとしており、結構急ですが、両手がフリーな状態で歩きやすい靴であれば登れます。

少し登ったところから振り返れば、キャンプ場がくっきりと。

古代ローマの温泉をテーマにした映画『テルマエ・ロマエ』の、兵士の傷を癒やすために岩盤浴場を建てるシーンを思い出します。

岩山には、ところどころから噴気を上げる場所があります。うっかり近づくと危ないので、足元をよく見ながら歩きます。

硫黄の結晶と思われる、黄色い粒も転がっています。

岩山を降りて、近くの草木が生い茂る一角をみると、淡いピンクのツツジが満開でした。

硫黄の火山とツツジの組合せは、那須湯本の殺生石を思い出しますね。

島の共同浴場は200円で源泉かけ流し!

ワイルドな温泉2つを体験して、すっかり満足したところで島唯一の温泉施設「湯泊温泉」の開店時間になりました。

昼間の照り付けるような日差しはやわらぎ、16時になると少し空気がやわらいだ感じがします。

温泉には島の子どもたちも集まっていました。「しおかぜ留学」といって、島で暮らしてみたい子どもたちが全国から集まっているそうです。

先生も来ていて、まるで家族のよう。小さな島の学校ならではの仲の良さにほっこりします。

 

 

開店前に撮らせてもらいました。

温泉は、「ナトリウム・カルシウム・マグネシウムー塩化物・炭酸水素塩泉」。長い名前の通り、ミネラルがたっぷり入った濃い温泉です。

灰緑色の濃いお湯は、意外にもキシキシせずなめらか。島の人たちはこのお湯を汲んで持参した石鹸で身体を洗っていますが、石鹸がしっかり泡立っているのが意外でした。

建物は全体的にだいぶ年季が入っています。ひなびた温泉の風情が素晴らしい!

島の子どもたちが壁をペイントしているなど、島の人に愛されているのを実感します。

「湯泊温泉」の詳細情報

施設名 「湯泊温泉」
住所 鹿児島県鹿児島郡十島村 大字悪石島
営業時間 16時00分〜21時00分
定休日 不定休
利用料金 200円
URL http://www.tokara.jp/tourism/profile/akusekijima/

湯泊温泉の泉質についてもっと詳しく

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悪石島の宿・見どころほか

悪石島には5つの宿泊施設があります。飲食店がないので、滞在中の食事はすべて宿で提供してもらいます。

連休や夏休みなど、宿がとれないときに泊まれるのが、移住体験施設「悪石島コミューン」。僕もこの宿に泊まりました。

観光客は1泊4,000円、ワーケーションやお試し移住の方は2,000円と格安。島には売店があり、宿のキッチンが充実しているため、自炊しながら快適に過ごせます。

悪石島の制服!?「悪の集団」に仲間入りしよう

島に唯一の売店は、11時から13時のみの営業。食料品など、生活に欠かせない商品が売られている一角に、ここでしか買えないお土産が並んでいます。

 
 
 
 
 
 
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背中に「悪」と大書された悪石島のTシャツとつなぎ。船の接岸作業をする方から、役場の出張所に来ていたお母さんまで、島の人の半分くらい(体感)が着ているのでもはや制服といっても過言ではないほど。

「島ではみんな着ているんだけど、鹿児島市内ではまだまだ知られていないんですよ」と宿のご主人は笑います。

悪石島を訪れたら、ぜひ島限定の「悪Tシャツ」を買いましょう。そして本土で着て、悪石島のPRもしましょう!

Tシャツは2,000円、つなぎは4,500円とお手頃価格です。

奇祭「ボゼ」は世界無形文化遺産

悪石島の奇祭「ボゼ」は、シュロなどで作られた仮面をかぶった神々が、島の人々のもとを訪れる祭りです。

異形のボゼが持つ「ボゼマラ」という棒で泥水をつけられると、悪霊祓いの効果があるほか、女性は子宝に恵まれるそう。

ボゼは1年に1回限りですが、島のお社には仮面が展示されていました。

トカラ列島で温泉めぐり

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離島×温泉! 東京からサクッと行ける伊豆諸島の温泉レポート

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トカラ列島・中之島で4つの温泉を制覇!ひなび感満載の共同浴場【鹿児島の秘湯】

鹿児島港から週2本の夜行フェリーで7時間、トカラ列島の中之島は4つの温泉がわき出す温泉天国!

無料の共同浴場が2つあるほか、日帰り温泉施設と、限られた人しか入れない隠し湯も!?

もちろんすべて源泉かけ流しです。4つの温泉を紹介します。

朝6時に島に着いたら、宿で朝ごはんを

鹿児島港からの夜行フェリーは、南北160kmに連なる島々を北から順に結びます。

2番目の中之島に着くのは朝6時。薄暗い港に降り立つと、宿のご主人が迎えに来てくれていました。

今回の宿は、「大喜(おおき)旅館」。飲食店がない中之島では、宿で滞在中すべての食事を出してもらえます。

木をふんだんに使った建物は、きれいで風通しも良く快適。部屋に荷物を置いて、朝食までの時間で軽く集落を散策します。

西区温泉:硫黄泉を源泉かけ流しで

宿から歩いて数分のところにあるのが、西区温泉です。東区・西区と2つの共同浴場があり、それぞれ集落の方々が管理されています。

男湯の扉を開けると、早速ふわりと硫黄の香りが漂ってきます。

絶妙に調整されたパイプから、熱い源泉が注がれています。底からお湯をかき混ぜて温度をならしてから浸かれば、ピリリと熱い湯は寝ぼけた身体をほぐしていきます。

青白いお湯には細かな湯の華が漂い、舐めてみると硫黄とカルシウムの苦味を感じます。

意外にも湯上がりはさっぱりして、ベタついた感じはしません。誰も来ないのをいいことに、脱衣所でしばしクールダウンしてから宿に戻りました。

「西区温泉」の詳細情報

施設名 「西区温泉」
住所 鹿児島県鹿児島郡十島村中之島
利用料金 無料(ぜひ寄付を!)

宿に戻って、トカラ馬を見に行く

 宿に戻ると、朝ご飯が用意されていました。鹿児島らしい白い麦味噌のお味噌汁が、長旅の疲れを吹き飛ばしてくれます。

島の百合は、大きくて鮮やか。

ひと息ついて、さて1日何をしようかとガイドマップを開きます。すると、気になる「トカラ馬」の文字。

在来種の馬が放牧されているそうで、予約すれば牧場を運営している方にガイドツアーをしてもらえるそう(僕が訪れたときは、予約しそびれて参加できませんでした)。

共同浴場には手書きの「トカラ馬新聞」が貼り出されていたこともあり、気になって見に行こうと思い立ちます。宿の方に作ってもらったお弁当を手に、いざトカラ馬牧場へ。

トカラ馬牧場は、集落から坂を登って3km弱のところにあります。山の中腹に広がる草原に、放牧された馬がいました!

望遠レンズをもってこなかったので遠い写真しかありませんが、のんびりと草を食む馬たちを見られて満足!

雨が降ってきたので急いで引き返し、お弁当は宿でいただきました。

見た目以上にボリュームのあるお弁当にすっかり満腹。天気が回復したので、ふたたび湯めぐりに出かけます。

東区温泉:濃厚な硫黄泉にびっくり

少し歩いたところにある、もう一つの共同浴場。泉質は東区温泉と同じ硫黄泉ですが、西区温泉の方が硫黄と塩分が濃いような気がします。

やはり熱めのお湯で、よくかき混ぜて入ってしばらくすると慣れるくらいです。

東区温泉は、浴場と脱衣所がつながっている昔ながらの造り。島の学校だよりなど、ローカルすぎる情報を眺めながらクールダウンしました。

「東区温泉」の詳細情報

施設名 「東区温泉」
住所 鹿児島県鹿児島郡十島村中之島
利用料金 無料(ぜひ寄付を!)

東区温泉・西区温泉泉質「含硫黄-ナトリウム・カルシウム-塩化物硫酸塩泉」についてもっと詳しく

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島の共同浴場に寄付して名前を刻もう(1,000円~)

こっちは西区温泉の脱衣所です。

脱衣所の壁には、びっしりと寄付者の名前が書かれています。西区温泉・東区温泉とも入浴料金は無料ですが、島の内外からの寄付に支えられています。

よく見ると毎年のように通っている島外の方も多く、根強いファンの多さを感じます。寄付額はいくらでも大丈夫ですが、1,000円以上寄付すると1年間名前を張り出してもらえます。

簡単には行けない離島の温泉。名前を残すのはよい記念になるでしょう。

沖縄と九州の間にあるだけあって、台風が通るたびに大きな被害を受けるトカラ列島。過去には共同浴場が全壊する被害を受けたこともあったそう。

地元の人たちとファンの手によって再建された新しい浴場に感謝の念がこみ上げてきます。

こっちは東区温泉。

2つの共同浴場は、どちらも岸壁に寄り添うように建てられ、道路から階段を降りて行きます。

事前に知らなければ気づかず通り過ぎてしまいそうな見た目ですが、台風の被害をやわらげる工夫かもしれません。

無人で、好きなときに入れる共同浴場。なんとも鄙びた雰囲気が旅情を掻き立てます。

「くつろぎの湯」はシャワー付きで上がり湯に最適

東区温泉と西区温泉のあいだ、集落の中心にあるのが、島に唯一の日帰り温泉「くつろぎの湯」です。

石鹸・シャンプーは持参する銭湯スタイルですが、300円とたいへんお手頃。

地元の子どもたちやお年寄りの作品が展示されています。福祉施設を兼ねているようで、全体的にバリアフリーなのも好感です。

お風呂は、源泉かけ流しの温泉と水風呂が1つずつ。

2つの共同浴場の間にありながら、透明のあっさりしたお湯です。舐めてみるとダシ感がしっかりと感じられ、なかなかいいお湯だと感じました。

塩分とカルシウム・マグネシウムを含み、成分は見た目よりも濃いかもしれません。

硫黄泉でスベスベになった肌をやさしく保湿してくれそうなお湯で、この順番で湯めぐりしてよかったと心の中でドヤ顔になりました。

営業しているのは、火・木・土の3日間。無人のことも多いため、自分で料金を払って人数カウンターを動かしておきましょう。

近くに自動販売機があるので、小銭が足りないときは風呂上がりのドリンクを先に買いましょう。

「くつろぎの湯」の詳細情報

施設名 「くつろぎの湯」
住所 鹿児島県鹿児島郡十島村大字中之島
営業時間 15時00分〜21時00分
営業日 火・木・土(月・水・金・日休み)
利用料金 島外300円、島民100円(島民の子どもと高齢者は50円)

「くつろぎの湯」の隣には村役場の出張所があります。帰りのフェリーの券は、出張所の開いている時間に買っておく必要があります。

くつろぎの湯の泉質「ナトリウム・カルシウムー塩化物硫酸塩泉」についてもっと詳しく

 

地図にのってない“隠し湯”にも入らせていただきました

中之島には3つの温泉があると言われていますが、実はもう1つ温泉があるのです。

地図にはのっておらず、私有地の中に湧きだしています。場所が分かった方は、その場所を管理する方に許可をいただいて入りましょう。

傾いた壁、ふだんから利用している方々が置いたシャンプーやボディソープのボトル……ジモ泉らしい雰囲気にワクワクします。

くつろぎの湯に近い透明なお湯は、カルシウムとわずかに鉄分を含みます。他の温泉と比べるとぬるめで、気持ちよくて長湯してしまいました。

宿に戻って「何もしない時間」を満喫

無事に島にある4つの温泉を制覇し、まだ日が高いうちに宿に戻りました。

ガイドツアーやレンタカー(宿の車を借りられます)などは事前の予約が必要だったのですが、温泉のことで頭がいっぱいで、下調べせずに来てしまいました。天候や時間を考えて、あえて何もしないことを選びました。

ごろんと畳に寝転び、網戸から吹き込むおだやかな風を子守唄に、ひと眠りしました。

晩ご飯の時間に起き出して、食堂に向かいます。

島でとれるタケノコやカツオなど、晩ご飯も豪勢! 思わず無言で完食してしまいました。

温泉めぐりをしている以外は、実家でゴロゴロしているような1日だったなぁと心の中で苦笑しながら、焼酎のお湯割りをクイッと飲み干します。

鹿児島港に戻るフェリーは、奄美大島の名瀬から順番に北上してくるので、中之島に着くのは10時過ぎ。

最後の食事をいただいて、フェリーを待ちます。

「大喜旅館」の詳細情報

施設名 「大喜旅館」
住所 鹿児島県鹿児島郡十島村大字中之島133
電話番号 09912-2-2110
利用料金 1泊4食13,090円~(税込)

港にはトカラヤギもいました。子ヤギのようですが、本土に送られるのでしょうか。

1晩過ごしたフェリーとしまが、奄美大島から戻ってきました。

個性豊かな4湯の思い出と硫黄のにおいを胸に、次の島に向かって出港しました。

トカラ列島の旅は、とにかく予約が大事!

口之島に入港する「フェリーとしま」

トカラ列島初訪問の僕は、各島に湧く温泉に入れただけで十分すぎるくらい満足ですが、もっと島を楽しみたい方は事前の情報収集をおすすめします。

●宿はとにかく早めにおさえる。取れなくてもあきらめない
どの島も宿泊施設が少なく、工事で長期宿泊する方も多いため、宿の確保が第一優先です。口之島と悪石島にはワーケーション施設がありますが、他の島では民宿の予約が取れないと選択肢がキャンプのみになります。 なお、天候などのせいか、キャンセルになる場合も少なくないようで、一度宿が取れなくても諦めずに何度か問い合わせてみましょう。

●島をくまなく巡るにはガイドツアーかレンタカーがおすすめ
中之島は大きい島で、1泊では歩いてまわりきれませんでした。常に晴れるとも限らないため、車があった方が遠くまで行けるでしょう。 十島村では各島にボランティアガイドがいるため、事前予約で島を案内してもらえます。 また、宿泊施設によっては車を借りられる場合もあるので、予約の際に聞いてみましょう。

●わからないことは島の人に聞く
本来では営業していない時間に売店を開けてもらえたり、逆に売店の方の予定で臨時休業になったりと、ネットで調べた情報があてはまらない場合もあります。 「こんなことできるかな?」と思ったら、島の人に聞いてみましょう。地図にのっていない観光スポットや、おすすめ情報などを教えてもらえるかもしれません。

「離島×温泉」のおすすめ温泉情報はこちら

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鹿児島本土のおすすめ温泉情報

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芋焼酎「トカラ海峡」セランマ温泉仕込みでリニューアル!【鹿児島の秘湯】

鹿児島市から週2往復のフェリーで6時間、トカラ列島の入口「口之島」は牛やヤギがたくさんいる自然豊かでのどかな島です。

島に唯一の売店で買える貴重な芋焼酎「トカラ海峡」が、島の秘湯・セランマ温泉仕込みでリニューアル! これは飲むしかありません。

温泉と焼酎を味わってきました。

島唯一の売店は午前中のみの営業

約100人の島民の暮らしを支える「口之島売店」。食べ物だけでなく、ガソリンも売っています。営業時間は9時~12時。

この日は奄美方面からのフェリーで昼過ぎに到着しましたが、私たち旅行者のために特別に店を開けてくれました。

地元の焼酎を見つけて買おうとすると「ちょうどよかった! 新しい方を持っていってよ」と、新しい瓶を出してくれました。お値段はどちらも1,500円(税込)。

島の温泉「セランマ温泉」で仕込んだ焼酎が造られたとのこと。まだパッケージができておらず、これまでと同じボトルにシールを貼っただけですが、そんなできたてホヤホヤにありつけるなんてありがたい限り!

「俺たちもまだ飲んでないんだ」と言いながら受け取った貴重な焼酎……早速晩ご飯でいただくことにしました。

夜まではまだ時間があるので、無料のガイドツアー(※要予約)でセランマ温泉に連れて行ってもらいます。

まるでサファリパーク!? 牛やヤギが歩き回る中を温泉へ

ガイドツアーは14時出発。セランマ温泉までは約8kmの道のりで、歩けないこともなさそうですが、島の方は「やめとけ」と口をそろえます。

グネグネ道を軽自動車でゆっくりと進んでいくと、ゲートが出てきました。

野生の牛が出てこないように作られたもの。鍵はかかっていないので、温泉に行くときは自分で開け閉めします。

口之島には野生の牛やヤギがたくさんいます。耳にタグがついた放牧の牛が混ざっていることも。私は2回温泉に連れて行ってもらいましたが、10頭くらいは見た気がします。

悠然とたたずむ牛。タグが付いていないので野生ですね。

野生の「トカラヤギ」。牛よりも警戒心が強く、すぐに逃げてしまうのでなかなか写真が撮れませんでした。

そうこうしているうちに、セランマ温泉に到着。一軒家のような見た目です。

セランマ温泉は利用するたびにお湯を張って入浴するセルフサービス。源泉温度は60℃以上なので、水を足しながらいれていきます。

お湯が張られるまで15分かかるので、周りを散策してみることに。

なんだか神聖な雰囲気が漂う、ガジュマルの巨木。樹齢数百年はありそうです。

すぐ近くは温泉水が流れる川になっており、木漏れ日に照らされた渓流がキラキラとしています。

水面をよく見ると、オタマジャクシが。

人間にとっても熱すぎる40℃台の環境で生きられる「リュウキュウカジカガエル」の幼生(オタマジャクシ)は貴重な発見のようです。

※参考:広島大学ニュースリリース「【研究成果】温泉でくつろぐ日本のオタマジャクシ:湯の中でも生きられるカエルの幼生」

いざ入浴! まろやかで気持ちいい

源泉かけ流しをひとり占め!

いざ入ってみると、やや熱めのお湯ははじめトロリとした感触があって、浴後はさっぱり。しばらく汗が引かずにポカポカとよく暖まります。

泉質は無色透明な硫酸塩泉。トカラ列島は各島に温泉がありますが、口之島の温泉は入りやすいのが特徴です。

これは焼酎の仕込み水に向いていそう!

温泉を楽しんだら、お湯を抜いてさっと水で流し、休憩室へ。島の人たちの憩いの場にお邪魔している感覚が心地よいです。

遠くで鳥が鳴く声がするほかは、静かな山の中。携帯の電波も入らないので、しばし世の中の流れから隔絶されて自分だけの時間を過ごしているかのよう。東京から半日近くかかりますが、それでも訪れる価値があるなぁとしみじみ感じました。

温泉水仕込みの焼酎はまろやかで美味しい!

さてお待ちかねの晩ご飯。今回泊まったのは素泊まりの宿で、島には飲食店がないため、食事は自分で用意します。

同宿の方がタケノコ採りの名人に教わってたくさん採ってきてくれたおかげで、晩ご飯は、島の名物・大名竹尽くしになりました。本土の姫竹に似た細いタケノコはクセがなく、塩茹でするだけで美味しくいただけます。

そこに、焼酎をいざオープン。おすすめの飲み方はロックだそうです。

芋の香りがしっかりとするのですが、いわゆる「芋くさい」感じではなく香りとして楽しめる感じがします。それでいてまろやかなので、ついつい飲みすぎてしまう感じ。

翌日売店で感想を伝えてもう1本買ってみると、島の人たちも「やっぱりセランマ温泉の方が飲みやすいねぇ」と好評でした。

どうしてもやってみたかったのが、仕込み水であるセランマ温泉で焼酎を割ること。でもロックの方が美味しいんだよなぁ・・・と思い、温泉水を凍らせてみました。

うん、やっぱり美味しい! まろやかでほのかに甘みのある温泉水が、やわらかくもしっかりした芋の香りを包んでくれます。

※セランマ温泉の飲用許可はないので、マネしないでください。

トカラ列島口之島・セランマ温泉への行き方

トカラ列島には、鹿児島港から週に2往復の船が出ています。

23時に鹿児島港を出港した船が最初に着くのが口之島。下り便の入港時間は朝5時で、上り便は12時過ぎの入港です。島には飲食店がないため、民宿に泊まれば滞在中の食事をすべて用意してくれます。

セランマ温泉に行くには、役場の出張所で入浴料金を支払い、鍵を受け取る必要があります。入浴料金は1人200円。

民宿で車を借りられることもありますが、無料のガイドツアーに申し込むのが確実。事前予約が必要なので、役場に問い合わせてください

セランマ温泉に行った次の日は快晴。島を一望できるフリイ岳展望台に案内してもらいました。

「口之島売店」の詳細情報

施設名 「口之島売店」
住所 鹿児島県鹿児島郡十島村大字口之島99
電話番号 09912-2-2404
営業時間 9時00分〜12時00分
定休日 不定休

「セランマ温泉」の詳細情報

施設名 「セランマ温泉」
住所 鹿児島県鹿児島郡十島村大字口之島
営業時間 入浴は夜8時まで
利用料金 入浴料200円(役場出張所で支払い)
アクセス 集落から約8km(車で30分)

セランマ温泉の泉質「硫酸塩泉」についてもっと詳しく

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トカラ列島で温泉めぐり

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離島×温泉! 東京からサクッと行ける伊豆諸島の温泉レポート

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鹿児島本土のおすすめ温泉情報

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鳴子の温泉水で仕込んだ日本酒「まつばら源泉」発売開始!お披露目会参加レポ

鳴子産のお米と鳴子の温泉で仕込まれた夢の日本酒「特別純米酒 まつばら源泉 生原酒」が2023年4月に発売開始されました。

食仲酒を得意とする「金の井酒造(綿屋)」の力で、まろやかな温泉水らしいフルーティーな仕上がりに。

2023年4月23日に「さとのわ 光種」で行われたお披露目会で、封切りに立ち会ってきました。料理とのマリアージュにも注目です。

綿屋の食仲酒飲み比べ!個性ある味わいに唸る

会場となった鳴子温泉郷・川渡温泉のレストラン「さとのわ 光種(Rishui)」は、いつもと違う雰囲気に。

綿屋の日本酒がカウンターが7本並び、それぞれの解説が書かれたシートも配られ、会がはじまりました。

乾杯はもちろん、この春生まれたばかりの「特別純米酒 まつばら源泉 生原酒」。

開けたばかりのフレッシュなお酒は、フルーティーな香りとキレのある味わいがあり、のど越しはまろやか。これは美味い!

鳴子のお米を100%使い、鳴子の温泉水で仕込んだこだわりのお酒ですが、ちゃんと美味しくて杯が進みます。おつまみはシンプルに、お豆腐を塩でいただきます。

次に登場したのは、今回お披露目された「生原酒」の前に作られた、温泉水50%使用の「特別純米酒 まつばら源泉」。私は鳴子温泉の立ち飲み屋「菅原分店765」で飲んで以来で、生原酒と比べるとまた違いが感じられます。

温泉水50%のほうが、スッキリしてサラリとした感じがします。それぞれに良さがあり、比べてみると面白いものです。

さらに、漢方牛の堆肥で育ったお米を使った「幸之助 院殿」も登場。お! こっちはかなりすっきりして辛口な感じです。かたい感じで食事の邪魔をしません。

おつまみは、葉ワサビの醬油漬けと、ドライトマト。塩味・辛味・酸味がお酒の力でまろやかになって、この組み合わせは面白いかも!

自宅でも試してみようかな、と思いながら箸を進めます。

3年越しに実現した温泉水仕込みの日本酒。キーパーソンの声

会が盛り上がってきたところで、お酒作りに関わった金の井酒造・まつばら源泉・お米の生産者さん、そして綿屋に特化した中山平温泉の酒屋「倉加屋」さんから挨拶があり、鳴子ファン10人が聞き入ります。

金の井酒造(宮城県栗原市)の三浦社長

金の井酒造の三浦社長と、まつばら源泉を販売するサトーの浅沼副社長は、高校の同級生。久しぶりに地元で再会し、浅沼さんが三浦さんに「温泉水を使った日本酒を作れないか」と相談したそう。

温泉水では酒母がうまく生きられず、試作は困難が続きました。

三浦さんは、「浅沼さんの熱意がなければ諦めていました」と語ります。

はじめに発売されたのが、温泉水50%の「特別純米酒 まつばら源泉」でした。発酵が止まらないよう、金の井酒造で通常の仕込みに使っている地下水を加えながら完成しました。試作品ということで、専用のラベルはなく近隣の飲食店等での限定販売でした。

さらに、製法に工夫を重ねて温泉水の配合を高め、酒母は100%温泉水仕込みでできたのが今回の「特別純米酒 まつばら源泉 生原酒」です。

「温泉水らしいまろやかな味わいに仕上がった」と、三浦さんは笑顔で話してくれました。

まつばら源泉を販売するサトー(宮城県東松島市)の浅沼副社長

浅沼さんはまつばら源泉ブランド化の立役者。かつては一部の病院でのみ販売されていた温泉水を、「飲む鳴子温泉」として一般向けにも販売しました。

さらに、「伊達な温泉水」のラベルも開発し、高級ホテルに置かれるようにもなりました。甘すぎずまろやかな温泉水は、全国で好評となっています。

浅沼さんは「鳴子の新しい名物として、地域を盛り上げられたら」と話しました。

地元の熱い思いに、思わず拍手が鳴ります。

さらにお酒と食事が続く……幸せな時間

この日用意されたお酒は7種類。それぞれに個性があって面白いです。

お燗でいただいたのは、「綿屋 特別純米酒 弐火 れっどばろん」です。燗にしてもアルコールの感じがなく、ふわりとまろやか。

ずんだ和えや、イカの沖作りを載せた春らしいちらし寿司など、鮮やかで春らしいお料理が並びます。

最後に、「まつばら源泉 生原酒」で〆めると、あら不思議。火入れしていない生きているお酒だからか、ボトルに残ったお酒は酸化して角がとれ、これぞ食仲酒といったまろやかな味わいに。生魚や、あっさりした肉料理に合いそうな印象です。

特別純米酒 まつばら源泉 生原酒を買うには?

鳴子の温泉水とお米で醸された新しい日本酒「特別純米酒 まつばら源泉 生原酒」は、鳴子温泉郷の旅館や、近隣のお土産屋さんなどで購入できます。

2023年5月までは、火入れしない生原酒を720mL(4合)1,870円、6月からは火入れして同1,810円(いずれも税込)で販売するとのことです。

金の井酒造のお酒は、地元のお店を中心に、特約店で販売されています。特に、中山平温泉駅前の「倉加屋」は綿屋に特化した酒屋さんとして日本酒ファンが集まります。

「倉加屋」の詳細情報

施設名 「倉加屋」
住所 宮城県大崎市鳴子温泉星沼79-35
電話番号 0229-87-2201
営業時間 9時00分〜18時00分
定休日 土曜日・日曜日
アクセス JR陸羽東線「中山平温泉」駅前 東北自動車道「古川IC」から国道47号線経由で約50分
公式LINE https://page.line.me/574qpbke

また、栗原市一迫の「金の井酒造」でも直売が行われており、お店では出回らない貴重なお酒と出会えるかもしれません。

※金の井酒造では電話・メール等での販売・発送は行っていません。購入については、特約店にお問い合わせください。

「金の井酒造」の詳細情報

施設名 「金の井酒造」
住所 宮城県栗原市一迫川口町浦1-1
電話番号 0228-54-2115
営業時間 9時00分〜17時00分
定休日 土・日曜日、祝日
アクセス 東北新幹線「くりこま高原」駅から車で約30分 東北自動車道「築館IC」から車で約25分
ホームページ https://www.kanenoi.co.jp/

「まつばら山荘」の日帰り入浴レポート

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新店続々オープン!「鳴子温泉郷」の最新グルメ情報

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鳴子御殿湯駅前にカフェ「YON」オープン!なるみ4代目夫婦の挑戦

宮城県・鳴子温泉郷の「鳴子御殿湯」駅前。2023年4月に「喫茶と土産 YON」がオープンしました。

老舗のお土産屋さん「なるみ」の4代目夫婦がお店の一角に作った、居心地の良いカフェ&ショップ。

列車の待ち時間や湯上がりに、オリジナルのブレンドコーヒーはいかがでしょうか。

大きな窓から差し込む光が心地よい

明るくてちょっと懐かしい雰囲気の「なるみストアー」の中に、おしゃれ空間が誕生しました。

テーブルが2つと、カウンターが4席。お店のレジで注文し、席につきます。

カウンターの下には電源コンセントがあり、列車の待ち時間にちょっとした作業をできそうです。

ホットコーヒーは酸味を利かせたブレンドと、あっさり飲みやすいシングルの2種類。アイスコーヒーは、飲む温泉水「まつばら源泉」で水出ししたCold Blewがあります。 [onsenLink]ID=57143[/onsenLink]

今回は、シングルとスコーンをいただきました。

コーヒーはあっさりした飲み口ですが、しっかりコクがあります。

お菓子に合うようオリジナルでブレンドした豆を、その場でドリップしてくれます。

スコーンは4種類あり、温めて出してくれます。今回選んだ「栗と黒糖」は、刻んだ栗がたくさん入っていて贅沢な味。サクッホロッとした食感がクセになって、止まらなくなります。

コーヒーは持ち帰りもでき、飲みきれなかった分は宿や列車の中で飲んでもよいでしょう。

コーヒー豆やお土産の販売も

この日は寒の戻りのような肌寒い日でしたが、コーヒーを飲んだらポカポカと暖まってきました。

人心地ついて、お店の中を歩いてみます。

「喫茶と土産」の名前の通り、木製の棚にお土産が並んでいます。雑貨やコーヒーなど、なるみストアーとは違った品揃えで新鮮です。

赤と緑のショップカードとともに、2種類のコーヒー豆が販売されていました。自宅でもYONのコーヒーを楽しめます。

木の質感が感じられるクラフト調の食器も並んでいます。

2021年に作られた「もりたび手ぬぐい」は、旅館で昔使われていた浴衣のデザインを復刻したもの。今使ってもスタイリッシュで、当時の人のセンスを感じます。

Uターンした4代目夫婦の思い

お土産屋さん「なるみ」といえば、自家製の「大栗だんご」や「なるまん」「くろまる」で知られる和菓子のお店。

これらの定番商品が生まれたのは、先代である3代目がお菓子の製造に取り組んだおかげです。そして、4代目夫婦はカフェに挑戦しました。

訪れたのは開店2日目でしたが、お菓子作りからコーヒーのドリップまで、二人でカウンターに立つ姿がすっかり馴染んでいます。

二人で話し合いを重ねながら、お店のコンセプトからメニューまで決めて、準備していったそうです。

YONの名前には、4代目であることと、「You Our Naruko」として鳴子を訪れる人と一緒に鳴子の楽しみ方を作り出していくという意味が込められています。

 
 
 
 
 
 
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若旦那は写真が得意。Instagramも必見です。 

もちろん、定番のお菓子も販売されています。

私が鳴子に来たら必ず買っている「なるまん」は、大きな栗が丸ごと一つ入った食べごたえのある温泉饅頭です。

生地にも餡にも胡麻がたっぷり使われた「くろまる」も無性に食べたくなる味!

「大栗だんご」はできたてを包んでくれて、温かいうちに頬張るのが最高。土日は個包装でも買えるので、YONのコーヒーと一緒にいただくのも良いでしょう。

「喫茶と土産 YON」の詳細情報

 

施設名 「喫茶と土産 YON」
住所 宮城県大崎市鳴子温泉鷲ノ巣87-2
電話番号 0229-83-2362(なるみ)
営業時間 金・土 11:00〜16:00 日・月 9:30〜16:00
定休日 火〜木曜日
アクセス JR陸羽東線「鳴子御殿湯」駅前 東北自動車道「古川IC」から国道47号線経由で約40分
URL https://yon947.com/

「おみやげの店 なるみ」の詳細情報

施設名 「おみやげの店 なるみ」
住所 宮城県大崎市鳴子温泉鷲ノ巣87-2
電話番号 0229-83-2362
営業時間 9:00~18:30
定休日 不定休(月曜休みのことが多いです)
アクセス JR陸羽東線「鳴子御殿湯」駅前 東北自動車道「古川IC」から国道47号線経由で約40分
URL https://www.narumi3.com/

新しいお店が続々オープン!鳴子温泉郷のグルメ情報

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青森県の「水明温泉旅館」はモール泉がドバドバ源泉かけ流し!日帰り入浴も【お湯を止めるな】

青森県東北町の「水明温泉」は、ドバッドバかけ流されるアル単泉が人気の、地元密着な温泉宿です。

お湯を止めないでください」といわれた客室付きのお風呂は、想像以上の源泉かけ流し。食事は美味しくてボリューム満点!

280円の日帰り入浴もコスパ最強ですが、温泉好きの方はぜひ泊まってみてください。

部屋のお風呂がドバドバすぎてビビる

お部屋に案内してもらうと、ごうごうと水の流れる音。もしかして……とバスルームに行ってみると、やはり源泉のかけ流される音のようです。

扉を開けるとムン……と湯気が漂い、温泉に誘われているような気分に。

早速入ってみると、やや熱めのお湯はとろみがあって心地よく、身体を包み込んでくれます。

それにしても暑いので、顔が火照って長風呂はできません。でもこれだけの勢いで源泉が注がれているのに適温に感じられるのですから、奇跡的な源泉温度と豊富な湯量に驚かされます。

浴室の湯を止めないでください。 この部屋への配管が長いため、冬期間は配管が温まるのに時間がかかります。 一度止めると、冷たいものしか出てこなくなります。

マニア的には「はい、喜んで!」と答えたくなるような貼り紙です。ついでながら、英語のわかりやすさもイイ!!

1人分のユニットバスにはあまりにももったいない湯遣いを、ひと晩独り占めできるのですから、これ以上うれしいことはありません。部屋の暖房を止めて、ベッドに寝転びクールダウン。

いやぁ、すごかった。どんなにお湯自体はまろやかでも、あれだけの勢いをもってすれば迫力がありますね。

ボリュームたっぷりのご飯に、お腹も心も満たされる

夕食は食堂でいただきます。酒が進みそうな肴たちが並びますが、この宿ではお酒の取り扱いはありません。お酒を持ち込んでもよし、炊き立てツヤツヤの白飯をかき込むもよし。

お刺身、カレイの干物、すき焼き風の甘辛鍋と、メイン級が並びます。鍋を食べ終えたらご飯を入れて雑炊風の猫まんまにして、最後まで美味しくいただきました。

お部屋は改装されてとってもきれい。温泉でポカポカに暖まって、朝までぐっすりと眠れました。

朝ご飯は、手作りのご飯のおともたちに並んで、たっぷりシジミのお味噌汁。すぐ近くの小川原湖は、全国有数のシジミの産地。白魚やワカサギなどもとれるので、時期があえば川魚もいただけるかもしれません。

食べ終えてびっくりしたのは、貝殻の数。うま味のパンチに思わずとろけそうになりました。

食事処にはセルフサービスのお茶やコーヒーが並びます。調味料やふりかけまであって、料理に物足りなさを感じる心配はまったくありません。

朝ご飯の後には、大画面で朝ドラを見ながらコーヒーをいただきました。

日帰り入浴の大浴場もドバドバかけ流し! 露天風呂もあります

水明温泉は日帰り入浴がメインで、なんと朝6時から夜22時まで営業しています。内風呂1つに露天風呂1つのシンプルな造りですが、どちらもドバドバかけ流しでなかなかの実力派です。

朝風呂に行ってみると、湯舟からあふれ出す源泉が、大きな窓から差し込む光に照らされてきらきらと輝いていました。

内風呂の源泉は、大きな蛇口を全開にして注がれています。源泉に直接触れないように塩ビ管で湯舟の底まで通されていますが、湯面は白いしぶきが漂っています。

泉質はpH8.6のアルカリ性単純温泉。とろりとした手ざわりがあって、じんわりと暖まるツウ好みの泉質です。

源泉温度は46℃なので決して高すぎはしませんが、真ん中で仕切られた湯舟の源泉側は体感44℃くらいでしっかり熱め。寒い青森らしい熱めのお湯は、見た目以上にポカポカになります。

朝起きてすぐは身体が暖まっていないので、右側のぬるめの湯舟から入って、最後は気泡がいっぱいの新鮮な源泉で〆めました。

右側でも十分楽しめますが、お部屋のお風呂で最高の湯遣いを知ってしまってからは、湯口近くの特等席に座りたくなってしまいます。

露天風呂は、森に向かって開けたゆったりとした造りで、ポカポカと暖まった身体をクールダウンさせるのにぴったり。

こちらもドバドバかけ流されており、お湯が勢いよく流れていました。

脱衣所はきれいに保たれ、ベンチがたくさんあるので湯上がりの休憩にもぴったりです。

鍵付きのロッカーが脱衣所の外にあるので、貴重品を預けてお風呂に入れます。

さらに、お風呂の外には広めの休憩スペースがあり、本を借りていくこともできます。

水明温泉の日帰り入浴は280円!アメニティは受付で購入しよう

水明温泉の日帰り入浴は、大人280円と格安。中学生以下は無料と、ファミリーにはうれしい太っ腹プライスです。

営業時間は朝6時から夜22時と、仕事の前後にも行けるのがありがたいところ。

格安なぶんアメニティの備え付けはありませんが、受付でたくさん販売されているので自分好みのシャンプーやボディソープを選べます。

もちろん持ち込みもOKで、常連さんはお風呂セットを持ち込んでいます。

宿泊客は無料アメニティが充実。お部屋でドライヤーも

宿泊すると無料でもらえるアメニティはこんな感じ。オリジナルの防水袋に、ちょっといいシャンプー・コンディショナー・ボディソープが入っています。

さらに、大浴場に持っていけるシャンプー・ボディソープ・ドライヤーの入ったお風呂セットまでついています。まさに至れり尽くせり。

ドライヤーはお部屋で使えるので、髪のセットに時間をかけたい方にもありがたいです。

さらに、お部屋のお風呂には別でシャンプーとボディソープがついているので、泊まったときにアメニティに困ることはありません。

アル単泉ドバドバかけ流し!水明温泉旅館に泊まろう

青森県の「水明温泉」は、1泊1万円台で客室付きのお風呂に入り放題! pH8.6のアルカリ性単純温泉は、とろりとした琥珀色で、身体の中からじんわり暖まります。

美味しくてボリュームたっぷりの食事や、リニューアルされたきれいなお部屋にも大満足できました。

日帰り温泉は6時から22時までと営業時間が長く、大人280円・中学生以下無料とお手頃価格なのもうれしいところ。でも温泉好きの方には、是非とも泊まってみてください!

「水明温泉旅館」の詳細情報

施設名 「水明温泉旅館」
住所 青森県上北郡東北町大字上野字山添56-4
電話番号 0176-56-5083 0120-286-655
日帰り入浴 営業時間 6時00分〜22時00分
利用料金 日帰り入浴:大人280円/中学生以下無料 宿泊:素泊まり5,100円~/2食付き8,400円~ ※お風呂付きの客室は、素泊まり7,300円~/2食付き10,600円~
アクセス 青い森鉄道「上北町駅」から徒歩約20分 上北道「東北IC」から車で約10分 東北新幹線「七戸十和田駅」から車で約25分
URL https://www.suimei-onsen.com/

水明温泉の泉質「アルカリ性単純温泉」についてもっと詳しく

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